映画
お仕事の報告です。京都服飾文化研究財団が刊行している機関誌『Fashion Talks...』の15号にお声がけいただき、論考を寄せました。タイトルは、「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」です。2020年前後に公開された映画における接触について書い…
現在、『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』が公開中のグザヴィエ ・ドラン監督の特集が『ユリイカ』2020年4月号で組まれました。 3/13(金)公開!『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』予告 僕は「ドロシーの友だち同士の往復書簡」という題名で寄稿しています…
シアター・イメージフォーラムにて西川達郎『向こうの家』(2018年)を観た。ツイッターで宣伝イメージを見て気になっていたが、実際のチラシも予告編も事前に見ずに出かけたので、映画が始まってから本作が東京藝術大学大学院映像研究科の修了作品として製作…
7月29日に発売した『ユリイカ』2019年8月号(特集*京マチ子『痴人の愛』『羅生門』『雨月物語』・・・稀代の女優)に、論考「もともと本当のあたしなんていないんだから─『黒蜥蜴』にみる京マチ子/成熟、越境性、矛盾」が掲載されました。 青土社 ||ユリイ…
2019年7月6日と7日の二日間、京都大学で表象文化論学会第14回大会が開催される。僕は二日目の7日、以下のパネルで口頭発表を行います。 パネル:Capturing Affects in Contemporary Japanese Media: Gendering Death, Politicizing the Personal, and Caregi…
早稲田大学演劇博物館には映画・テレビの台本が数多く所蔵されている。木下惠介映画作品の脚本所蔵状況は以下の通り。1940年代の作品の脚本はほぼ所蔵なしだが、1950年代のものは『婚約指環』を除きほぼ全て揃っている。1960年代は、木下が松竹を退社する196…
2018年10月8日に早稲田大学演劇博物館で開催した野外無声映画上映会「エンパクシネマ」の様子を撮影した動画のダイジェスト版が公開されました。4分ほどの映像ですが、活動写真弁士の澤登翠さん、山城秀之さん、ピアニストの柳下美恵さんの伴奏を味わうこと…
下北沢のDARWIN ROOMで開催された第二回LGBTスタディーズ「多様な性のあり方」 にて、東海林毅監督の『老ナルキソス』を観た。第27回レインボー・リール東京をはじめ、国内外の様々な映画祭で賞を獲得している作品で、昨年からずっと気になっていた。 www.yo…
10月27日から30日まで3泊4日で中国の天津へ出張で行ってきた。中国へ行くのは今回が初めてだったのでお金、言語、ネット環境で戸惑うことが多かったが、なんとか生きて戻って来られてホッとしている。 今回の中国出張は第二回東アジア日本研究者協議会への…
心待ちにしていたスタジオポノック第一作『メアリと魔法の花』(米林宏昌、2017年)を観てきたが、どう評価すれば良いのか分からない程に困惑している。公開前に読んだスタジオポノックのインタビューで、本作がスタジオジブリの『魔女の宅急便』を意識して…
シカゴで開催されたSCMS2017への参加を終え、二日前に帰国しました。SCMSには修士のころから入会していましたが、参加・口頭発表をしたのは今回が初めてでした。 発表は初日、しかも僕は一番最初の枠(10:00~11:45)の一番最初の発表順を任されていたため、…
年始映画一本目は人気漫画『ONE PIECE』を原作とした映画『ONE PIECE FILM GOLD』を観た。去年映画館へ観に行くかどうか悩み、結局行かずに上映終了になってしまった作品だった。去年は確かドラえもんの映画を年始めに観たから、今年もアニメにしようと思い…
クリスマス週末の三連休に、ポール・W・S・アンダーソン監督の『バイオハザード:ザ・ファイナル』を観てきた。本作は、カプコンのテレビゲームを原作としたシリーズの最終作だ。中学生の頃からテレビゲームを毎作品プレイしているし、映画化作品もすべて…
スマホやタブレット、テレビで映画やテレビ番組を観られるHuluやNetflixといった月額有料動画サイト/アプリがある。いろいろと登録してきたが、今はAmazonプライムだけアカウントを持っている。Huluだと木下惠介の作品をほとんど観られると聞いたので、登録…
表象文化論学会ニューズレターREPRE第28号で、小野智恵さんの『ロバート・アルトマン 即興性のパラドクス ニュー・シネマ時代のスタイル』 (勁草書房、2016年3月)について短い紹介文を書かせていただきました。 表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉:新…
去年の日本映画学会で木下惠介監督の『カルメン故郷に帰る』について口頭発表してから、ずっとこの映画について考えている。 『カルメン故郷に帰る』が公開されたのは1951年で、撮影は1950年だった。撮影から役66年経った今、ロケ地はどんな感じになっている…
昨年の3月末に提出し、査読再審査などを経て掲載可となった論文がようやく刊行されました。 「切り返し編集による男性間の親密性表象--木下惠介『海の花火』をクィア映画として読む--」『人間・環境学』第24巻(京都大学大学院 人間・環境学研究科、2015) …
レズビアン・ゲイ・クィア映画に関する文献を読んでいると、「キャンプ(camp)」という言葉をよく見かける。このキャンプと一緒に「ゲイの感受性(the gay sensibility)」という言葉も頻出するが、「ゲイの感受性」とは一体なんのこっちゃという反応があっ…
本日発売の『ユリイカ』2016年2月号「特集*原節子と<昭和>の風景」に寄稿をさせていただきました。 久保豊「天女の口づけーー『お嬢さん乾杯!』における原節子」p.155-163 木下惠介監督の『お嬢さん乾杯!』において、「なぜ男性主人公が原節子演じるヒ…
前回に引き続き、今回も「クィア映画とは何か?」という問いについてBenshoffとGriffinのQueer Imagesを使って復習したい。 クィア映画を定義するための第三の視点は、観客性(spectatorship)の問題である。この視点に従うならば、クィア映画とはレズビアン…
クィア映画と一言で表しても、実際のところ、それがどういう映画を指すのかを説明するのは容易ではない。日本映画史におけるクィア映画を研究しようと考えても、そもそもクィア映画がなんなのかを知らなければ、良い発見ができない可能性が(かなり)高い。…
2015年もあと三日で終わりですね。来年は博士後期課程3年目なので、いろいろと気合を入れなければならない年になりそうだ。とりあえず来年の目標は、「余裕をもった論文執筆」。 備忘録に、12月に購入した書籍のリストを作りました。 ユリイカ 2016年1月号 …
今年の五月にここで紹介した松山のぞみさんの映画『Silent Noise』の高解像度版(しかも日本語字幕オプションつき!!)がYouTubeにアップされたとお知らせを受けたので、そちらをアップしておきたい。 www.youtube.com あと、GIFTという作品もとても面白い…
明日のM2中間発表でスパイク・リー監督のGet on the Bus (1996)が議論される予定だ。アメリカにいた時に一度見たことがあったが、あまり内容を覚えていなかったので午後に見直した。 Get on the Bus Trailer (1996) - YouTube 明日の発表がどのような内容に…
夏期休暇が終わり、後期の授業も先週から始まった。今期の学部生/修士向けの映画学授業の初日では、ティム・ジョンソン監督のHOME(2015、日本未公開)が紹介された。アメリカでDVDが最近発売されたばかりだ。主人公のひとりである宇宙人Ohがちょっとブサイ…
9月28日から3泊5日でロサンゼルスへ行ってきた。機内の映画セレクションが充実していたので、見逃していた映画や気になっていた映画を数本観ることができたので、メモしておこう。 SPY (Paul Feig監督、2015年) 主演のメリッサ・マッカーシーが大好きで、ア…
ふしみふかくさコミュニティアーカイブの松浦さと子先生から以下のお知らせを頂いたので、共有したい。本当は祇園祭の日に開催予定だったらしいが、台風直撃の日でもあったので、延期されてたのかな。台風で参加できなかったと悔しがっていた僕にとっては嬉…
先週金曜日から本日までに4日間で15コマあった集中講義を終えた。講師は谷川建司先生。講義の主な検証対象は映画評論家の岩崎昶で、今回は彼が論じた映画群から数本を実際に見て、論評と照らし合わせて議論した。講義で観た映画を書いておく。 レニ・リーフ…
この10月と11月に龍谷大学にて開講される公開講座で一回分の講師を務めることになりました。講座のタイトルは、「8ミリ収集でたどる映像歴史社会学の試み - コミュニティアーカイブ作成の実践から - 」です。 私が担当する11月5日は、次の内容でお話する予…
今週末から始まる集中講義に向けて事前に配布された資料の中に、岩崎昶の『ヒトラーと映画』から120〜136頁を抜粋したものがある。岩崎昶(1903-1981)は映画批評家で映画製作に携わっていた。映画に関する著書も多く、今回のリーディング・アサインメントは…