読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

SCMS2017から帰ってきました。

シカゴで開催されたSCMS2017への参加を終え、二日前に帰国しました。SCMSには修士のころから入会していましたが、参加・口頭発表をしたのは今回が初めてでした。 発表は初日、しかも僕は一番最初の枠(10:00~11:45)の一番最初の発表順を任されていたため、…

『ONE PIECE FILM GOLD』(宮本宏彰、東映、2016年)

年始映画一本目は人気漫画『ONE PIECE』を原作とした映画『ONE PIECE FILM GOLD』を観た。去年映画館へ観に行くかどうか悩み、結局行かずに上映終了になってしまった作品だった。去年は確かドラえもんの映画を年始めに観たから、今年もアニメにしようと思い…

『バイオハザード:ザ・ファイナル』(ポール・W・S・アンダーソン、2016年)

クリスマス週末の三連休に、ポール・W・S・アンダーソン監督の『バイオハザード:ザ・ファイナル』を観てきた。本作は、カプコンのテレビゲームを原作としたシリーズの最終作だ。中学生の頃からテレビゲームを毎作品プレイしているし、映画化作品もすべて…

Amazonプライムで観られるゲイを扱った映画

スマホやタブレット、テレビで映画やテレビ番組を観られるHuluやNetflixといった月額有料動画サイト/アプリがある。いろいろと登録してきたが、今はAmazonプライムだけアカウントを持っている。Huluだと木下惠介の作品をほとんど観られると聞いたので、登録…

表象文化論学会ニューズレターREPRE第28号に新刊紹介文が掲載されました。

表象文化論学会ニューズレターREPRE第28号で、小野智恵さんの『ロバート・アルトマン 即興性のパラドクス ニュー・シネマ時代のスタイル』 (勁草書房、2016年3月)について短い紹介文を書かせていただきました。 表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉:新…

『カルメン故郷に帰る』ロケ地の現在についてーー駅、小学校、カルメンの木

去年の日本映画学会で木下惠介監督の『カルメン故郷に帰る』について口頭発表してから、ずっとこの映画について考えている。 『カルメン故郷に帰る』が公開されたのは1951年で、撮影は1950年だった。撮影から役66年経った今、ロケ地はどんな感じになっている…

論文掲載のお知らせ

昨年の3月末に提出し、査読再審査などを経て掲載可となった論文がようやく刊行されました。 「切り返し編集による男性間の親密性表象--木下惠介『海の花火』をクィア映画として読む--」『人間・環境学』第24巻(京都大学大学院 人間・環境学研究科、2015) …

「キャンプとゲイの感受性について」Part 1("Camp and the Gay Sensibility" p.40-41)

レズビアン・ゲイ・クィア映画に関する文献を読んでいると、「キャンプ(camp)」という言葉をよく見かける。このキャンプと一緒に「ゲイの感受性(the gay sensibility)」という言葉も頻出するが、「ゲイの感受性」とは一体なんのこっちゃという反応があっ…

「天女の口づけーー『お嬢さん乾杯!』における原節子」『ユリイカ』2016年2月号

本日発売の『ユリイカ』2016年2月号「特集*原節子と<昭和>の風景」に寄稿をさせていただきました。 久保豊「天女の口づけーー『お嬢さん乾杯!』における原節子」p.155-163 木下惠介監督の『お嬢さん乾杯!』において、「なぜ男性主人公が原節子演じるヒ…

クィア映画とは何か? Part 2(Queer Images, p. 10~12)

前回に引き続き、今回も「クィア映画とは何か?」という問いについてBenshoffとGriffinのQueer Imagesを使って復習したい。 クィア映画を定義するための第三の視点は、観客性(spectatorship)の問題である。この視点に従うならば、クィア映画とはレズビアン…

クィア映画とは何か? Part 1(Queer Images, p. 9~10)

クィア映画と一言で表しても、実際のところ、それがどういう映画を指すのかを説明するのは容易ではない。日本映画史におけるクィア映画を研究しようと考えても、そもそもクィア映画がなんなのかを知らなければ、良い発見ができない可能性が(かなり)高い。…

2015年12月購入書籍

2015年もあと三日で終わりですね。来年は博士後期課程3年目なので、いろいろと気合を入れなければならない年になりそうだ。とりあえず来年の目標は、「余裕をもった論文執筆」。 備忘録に、12月に購入した書籍のリストを作りました。 ユリイカ 2016年1月号 …

映画作家松山のぞみさんの作品について覚書②

今年の五月にここで紹介した松山のぞみさんの映画『Silent Noise』の高解像度版(しかも日本語字幕オプションつき!!)がYouTubeにアップされたとお知らせを受けたので、そちらをアップしておきたい。 www.youtube.com あと、GIFTという作品もとても面白い…

Get on the Bus (Spike Lee、1996)

明日のM2中間発表でスパイク・リー監督のGet on the Bus (1996)が議論される予定だ。アメリカにいた時に一度見たことがあったが、あまり内容を覚えていなかったので午後に見直した。 Get on the Bus Trailer (1996) - YouTube 明日の発表がどのような内容に…

HOME(2015)と『美女と野獣』(1991)

夏期休暇が終わり、後期の授業も先週から始まった。今期の学部生/修士向けの映画学授業の初日では、ティム・ジョンソン監督のHOME(2015、日本未公開)が紹介された。アメリカでDVDが最近発売されたばかりだ。主人公のひとりである宇宙人Ohがちょっとブサイ…

機内で観た映画メモ

9月28日から3泊5日でロサンゼルスへ行ってきた。機内の映画セレクションが充実していたので、見逃していた映画や気になっていた映画を数本観ることができたので、メモしておこう。 SPY (Paul Feig監督、2015年) 主演のメリッサ・マッカーシーが大好きで、ア…

第11回 ふかくさ町家シネマ(コミュニティアーカイブの上映)のお知らせ

ふしみふかくさコミュニティアーカイブの松浦さと子先生から以下のお知らせを頂いたので、共有したい。本当は祇園祭の日に開催予定だったらしいが、台風直撃の日でもあったので、延期されてたのかな。台風で参加できなかったと悔しがっていた僕にとっては嬉…

集中講義で観た映画

先週金曜日から本日までに4日間で15コマあった集中講義を終えた。講師は谷川建司先生。講義の主な検証対象は映画評論家の岩崎昶で、今回は彼が論じた映画群から数本を実際に見て、論評と照らし合わせて議論した。講義で観た映画を書いておく。 レニ・リーフ…

REC公開講座 「8ミリ収集でたどる映像歴史社会学の試み  - コミュニティアーカイブ作成の実践から - 」

この10月と11月に龍谷大学にて開講される公開講座で一回分の講師を務めることになりました。講座のタイトルは、「8ミリ収集でたどる映像歴史社会学の試み - コミュニティアーカイブ作成の実践から - 」です。 私が担当する11月5日は、次の内容でお話する予…

岩崎昶『ヒトラーと映画』(1975年、朝日新聞社)pp. 120~136

今週末から始まる集中講義に向けて事前に配布された資料の中に、岩崎昶の『ヒトラーと映画』から120〜136頁を抜粋したものがある。岩崎昶(1903-1981)は映画批評家で映画製作に携わっていた。映画に関する著書も多く、今回のリーディング・アサインメントは…

誰に感情移入すればいいのか〜『インサイド・ヘッド』(2015年)

ピート・ドクター監督の『インサイド・ヘッド』(Inside Out、2015年)を公開日に観てきたんだが、感想を書こうと思って色々考えていたら、いつの間にか時間が経ってしまったので、気になった点だけ書いておきたい。 「インサイド・ヘッド」ストーリー予告 -…

ウィリアム・フォークナーに関する参考文献

今日の勉強会は、ウィリアム・フォークナーの文学作品について修士論文を執筆しているM2の発表だった。文学と映画の関係について私自身あまり詳しくないが、発表内容がとても分かりやすく、興味深い情報をたくさん得られた。 紹介されていた参考文献を記して…

The Language of Love (Dir. Laura Scrivano)について

ショートフィルムを毎日一本ずつ観ているんですが、最近面白いと思ったものにThe Language of Loveという作品がある。 THE LANGUAGE OF LOVE 'Amazing' Ellen ... フランス語のテストの最中、17歳の少年チャーリー(Kim Ho)は彼自身と友人のサムに密…

『ベイマックス』(ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ、2014)についての覚書

『ベイマックス』本予告編 - YouTube ディズニーの最新作『ベイマックス』を観てきた。率直な感想を言えば、エピソードを詰め込み過ぎて、一貫した話の筋立てを組み立てられていない印象を受けた。日本公開版の予告編と実際の映画内容が懸け離れているという…

『小野寺の弟・小野寺の姉』(西田征史、2014年):向井理の演技について思うこと

映画「小野寺の弟・小野寺の姉」予告編 - YouTube 西田征史監督・脚本の『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014年)が本日から公開されている。公開初日、映画館で初回を観てきたのだが、姉弟を演じる片桐はいりと向井理のやりとりに心温まる作品だ。映画が終わる…

新しい論文を発表しました。

ホーム・ムーヴィーに関する修士論文の第三章を改稿した論文を発表しました。 CineMagaziNet! no.18 Yutaka Kubo The Function of the Semi-Private Sphere in Home Moviemaking and Exhibition 私的空間と公的空間という二元論的な空間の枠組みに当てはまら…

映画『STAND BY ME ドラえもん』

"Doraemon should never be made into 3D." This was my first thought when I saw the trailer of STAND BY ME Doraemon in February. And now I regret that I had ever thought that way. This movie will make you laugh through tears. 映画『STAND BY …

映画『GODZILLA』(2014)

「GODZILLA ゴジラ」予告3 - YouTube 公開中の『GODZILLA』(ギャレス・エドワース、2014)を観てきた。TOHO CINEMASへ映画を見に行くたびにずいぶん前から予告編が流れていたこともあり、ずっと気になっていた作品。 今日は映画1100円の日だったので、…

映画『マレフィセント』(2014):おでこにキスでもキスはキス(*ネタバレあり)

ロバート・ストロンバーグ監督の『マレフィセント』(Meleficent、2014)を3D・DOLBY-ATMOSで観てきた。1959年公開のクライド・ジェロニミ監督による『眠れる森の美女』に登場する「魔女」マレフィセントを中心人物とし、マレフィセントが王女オーロラにかけ…

映画の色について:木下恵介『カルメン故郷に帰る』

富士フイルムが国産カラーフィルムの発明に勤しんでいたころ、日本映画監督協会は押し寄せる外国カラー映画の情勢に立ち向かう術を考える必要にせめられていた。そこで、富士フイルムから国産カラー映画の製作を持ちかけられた時、当時理事であった小津安二…

映画の色について:テクニカラー、アグファカラー、フジカラー

木下恵介『カルメン故郷に帰る』(1951)に関する先行研究を読んでいると、映画の色について面白い比較があったので以下にまとめてみたい。 戦後、日本で最初に公開されたアメリカのテクニカラー映画は、ウォルター・ラングの『ステート・フェア』(1945)である…

Postwar Japan in Film: 8th week

"Postwar Japan in Film"の第八週目授業では、周防正行『Shall we ダンス?』(1996年)を通して、1980、1990年代の特に団塊世代のサラリーマンブルーや趣味について議論した。 映画の予告編はこちらから。 Shall We Dance? (1996) trailer - YouTube 2004年に…

Postwar Japan in Film: 7th week

"Postwar Japan in Film"の第七週目授業は、伊丹十三『マルサの女』(1987年)を取り上げて、「この映画に登場するヒロインはどのようにして誕生したのか」という問いを中心に議論した。 『マルサの女』を未見の方はこちらから。 マルサの女 ー 伊丹 十三 - …

Postwar Japan in Film: 6th week

今週の"Postwar Japan in Film"の授業は、森田良光の1983年作品『家族ゲーム』(すばる文学賞を受賞した本間洋平の原作は1981年発表)を取り上げて、戦前から戦後にかけての日本の教育システムの変化、そして1980年代、1990年代における教室という空間の変化…

Postwar Japan in Film: 5th week

同志社大学で開講されている"Postwar Japan in Film"も今週で5週目を迎えた。四週目にあたる週は、僕はサンフランシスコへリサーチに行っていたため参加することが出来なかったが、土本典明監督の『水俣 - 患者さんとその世界』(1971年)を上映した。GWのた…

Postwar Japan in Film: 3rd week

"Postwar Japan in Film"第三週目は、小津安二郎の『お早よう』(1959年)の感想を中心に、戦後日本におけるホワイトカラー中流階級(middle-class)のconsumerismとmidle-class consciounessについて議論した。1955年以降、日本の経済成長期に日本家族にとっ…

Postwar Japan in Film: 2nd week

"Postwar Japan in Film"の第二週二回目の授業は、今村昌平『豚と軍艦』(1961年)の感想を中心とした議論を行なった。1945年から1952年まで続いたthe Occupationの後、日本映画は戦後日本社会における日本人とアメリカ人をどのように表象したのか。 授業で…

今村昌平『豚と軍艦』(1961)

今日は同志社大学にて"Postwar Japan in Film"の第二週一回目の授業を受けてきた。今週から月曜日は映画を見て、火曜日はディスカッションをする。その第一回目として、今日は今村昌平監督の『豚と軍艦』(1961)を視聴した。 Pigs And Battleships | Trailer …