『逢びき』(Brief Encounter, David Lean, 1945)
今週のゼミ発表はDavid Leanの『逢びき』が議論の対象となるので、予習のため情報収集をしておく。原作はノエル・カワード(Noel Coward)の『静物画』。
ローラを捉えたキャメラが次第に傾いていくところは毎回ぐっとくる。
『逢びき』の冒頭と最後でアレックがローラの肩に触れる演出が有名だが、トッド・ヘインズの『キャロル』でもキャロルがテレーズの肩にそっと手を置くという演出が使われている。ヘインズ自身も、この演出が『逢びき』からの引用だったとインタビューで答えていたと思う。
映画学者のキャサリン・グラントによって比較検証が行われている。
THERESE & CAROL & ALEC & LAURA (A Brief Encounter) on Vimeo
BFI Film Classicsから書籍が出版されている。けっこうなお値段。図書館の文献取り寄せサービスで依頼したので、どんな内容か楽しみだ。
Brief Encounter (Bfi Film Classics)
- 作者: Richard Dyer
- 出版社/メーカー: British Film Inst
- 発売日: 1993/12/27
- メディア: ペーパーバック
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映画学では、『逢びき』のホモセクシャル表象についてしばしば言及されてきた。先に挙げたBFIの本でも議論されている可能性が高い。
↓この本も面白いかも。
Visual Authorship: Creativity And Intentionality In Media (North Lights)
- 作者: Torben Grodal,Bente Larson,Iben Thorving Laursen
- 出版社/メーカー: Museum Tusculanum
- 発売日: 2004/12
- メディア: ペーパーバック
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論文
Andy Medhurst, "That special thrill: Brief Encounter, homosexuality and authorship." Screen (1991) 32 (2): 197-208