No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

『逢びき』(Brief Encounter, David Lean, 1945)

今週のゼミ発表はDavid Leanの『逢びき』が議論の対象となるので、予習のため情報収集をしておく。原作はノエル・カワード(Noel Coward)の『静物画』。

 

ローラを捉えたキャメラが次第に傾いていくところは毎回ぐっとくる。

Brief Encounter [DVD]

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『逢びき』の冒頭と最後でアレックがローラの肩に触れる演出が有名だが、トッド・ヘインズの『キャロル』でもキャロルがテレーズの肩にそっと手を置くという演出が使われている。ヘインズ自身も、この演出が『逢びき』からの引用だったとインタビューで答えていたと思う。

映画学者のキャサリン・グラントによって比較検証が行われている。

THERESE & CAROL & ALEC & LAURA (A Brief Encounter) on Vimeo

 

BFI Film Classicsから書籍が出版されている。けっこうなお値段。図書館の文献取り寄せサービスで依頼したので、どんな内容か楽しみだ。

Brief Encounter (Bfi Film Classics)

Brief Encounter (Bfi Film Classics)

 

 

映画学では、『逢びき』のホモセクシャル表象についてしばしば言及されてきた。先に挙げたBFIの本でも議論されている可能性が高い。

↓この本も面白いかも。

Visual Authorship: Creativity And Intentionality In Media (North Lights)

Visual Authorship: Creativity And Intentionality In Media (North Lights)

  • 作者: Torben Grodal,Bente Larson,Iben Thorving Laursen
  • 出版社/メーカー: Museum Tusculanum
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: ペーパーバック
  • この商品を含むブログを見る
 

 

論文

 Andy Medhurst, "That special thrill: Brief Encounter, homosexuality and authorship." Screen (1991) 32 (2): 197-208