No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

短編アニメーション 『In A Heartbeat』

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4分間の短編アニメーション In A Heartbeatが話題になっている。エステバン・ブラヴォー(Esteban Bravo)とベス・デイヴィッド(Beth David)という二人の若いアニメーション作家による短編で、リングリングカレッジ アート&デザインに卒業制作として提出された作品らしい。もともとは a-boy-meets-a-girl的な設定だったようだが、製作の過程において、少年Sherwinが別の少年に恋をする物語に変更された。

 

そのような変化の背景には、ディズニーやピクサーによるアニメーションや子供映画におけるLGBTQキャラクターの不可視という問題が考えられる。ドラマや映画においてLGBTQキャラクターの存在が少しずつ増えてきているとはいえ、メジャーなアニメーションや子供映画においてはLGBTQキャラクターの表象はハードルが高いように見える。そんな現状だからこそ、In A Heartbeatは欧米でときどき見られる「アニメーションは子供向け」という意見を逆手にとって、アニメーションという媒体で同性間の恋を描くことにしたそうだ。

 

たった四分間だが、誰かに恋心を抱くことのときめき、その恋心を公にすることが自らのセクシャル・オリエンテーションアウティングしてしまうことに対する恐れなど、丁寧に描かれている。ぜひほっこりしてもらいたい。来年の京都国際子ども映画祭で上映してくれないかな。