No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

『グレース・オブ・モナコ 王妃の切り札』(オリビエ・ダアン、2013)


Grace of Monaco - HD Main Trailer - Official Warner ...

 

1950年代を代表するハリウッド女優グレース・ケリーは人気女優の座を降り、モナコ公国の公妃となった。アメリカを離れ、女優として生きたハリウッドを離れ、国を救うためにグレース・ケリーが成し遂げた計画とは何だったのか?グレースはどのようにして成功したのか?現在公開中のオリビエ・ダアン監督の『グレース・オブ・モナコ 王妃の切り札』(2013)は、ニコール・キッドマンを主演とし、モナコ公国の公妃としてグレース・ケリーが演じきった役が努力の中で生成され、輝く瞬間を描く。

 

本作におけるニコール・キッドマンの美しさについて書き始めると終わりが見えなさそうだが、彼女の魅力が再発見される作品になっていることは間違いない。キッドマンの魅力はその美貌だけではない。彼女の演技力、特に顔の表情(視線や口角の動き、あごの角度など)は特筆に値する。また、キッドマンの顔の演技を強調する映画的技法として、超クロースアップ(extreme closeup)が多用されている点にもぜひ注目してもらいたい。映画館の一番前の席でキッドマンの目に見つめられる興奮は本作を実際に見るまで分からないだろう。

 

公開中にもう一度映画館で見ようと考えているので、超クロースアップの挿入がキッドマンと他の登場人物の親密さの表象に関係しているかを検討してみたい。