地域と映像:深草町家シネマの活動例
この春から新しくゼミに入ってきた院生と「地域と映像」というトピックで話をしていた時、龍谷大学政策学部松浦ゼミの学生が関わっている町家シネマについて伝えた。
深草町家シネマの活動例については、こちらから↓
8ミリフィルムや16ミリフィルムで撮影されたホームムービーに映っている内容を頼りに、地域のお年寄り(フィルムを使ってホームムービー制作を実践していたであろう世代)と学生(ビデオ媒体やスマホを使ってのホームムービー撮影を実践しているであろう世代)が深草という特定の地域について語り合うことで世代間の交流の場を持つ活動として、松浦ゼミの活動は非常に大きな力を持っている。
フィルムで撮影されたアマチュア映画(小型映画)を用いて、地域の記憶(あるいは記録)を後世に残そうとする試みは近年増えている傾向にある。例えば、『東京人』2015年3月号の記録映画特集は東京の事例を詳細に記している。
東京大学や新潟大学による記録映画に関する研究は、アマチュア映画をコミュナルシネマの重要な一部分として捉え直す絶好の機会になることは間違いない。研究成果を口頭発表などをとおして聞く機会も増えてくるであろう。
ただし、一つ気になることがある。それは、学生がこれらの活動にどれだけ関わっているのかということ。著名な先生方が表舞台に出てきて話をしてくれるのは、最新の情報を受け取る側として役立つことなのだけれど、もし若い学生がこういった活動に関わっているのであれば(大学という研究機関である以上、学生の貢献は大きいのでは)、「フィルムって何?」ていうくらい若い学生が活動を通してどういったことを考えているのかを直接聞く機会こそもっと増えればいいなと思う。
そういう意味では、活動をとおして学生が言葉足らずでも彼女らの経験を伝えることが出来る機会を幸いながら得ることが出来ている深草町家シネマの活動は評価すべきだ。もちろん、松浦先生のゼミを希望する学生が全員フィルムに関心があるわけではないだろうし、他のメディアについても学んでいるわけだが。
ゼミ生が減ったと聞いているが、今後の活動も楽しみだ。