No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

『きのう何食べた?』はホームドラマなのか?

テレビドラマ版『きのう何食べた?』のプロデューサー、阿部真士のエッセイ「受け手の"いま"に寄り添いたい」(『民放』2020年3月号、44-45)を読んだ。現在関わっている企画で『きのう何食べた?』を扱っているので、興味深く読んだ。

 

以下、疑問に思ったことのメモ

・阿部は『きのう何食べた?』をホームドラマとして論じるが、果たして『きのう何食べた?』はホームドラマなのか? 1940年代末に大映の戦略で登場し、1950年代には松竹の、そしてテレビの登場後はテレビドラマの一大ジャンルとなったホームドラマと同じ枠組みで、『きのう何食べた?』を語ることができるのだろうか?

・「テレビに『安心』を求める視聴者へ」という節の中で、『きのう何食べた?』が令和時代の視聴者に向けた、「安心」を意識したドラマを目指したと書かれている。よしながふみの料理漫画を原作とした本作、ゲイのカップルの同棲生活を描いた本作を「安心」してみることができるように作ったという趣旨は、客観的に分析しなければならない。なぜゲイのカップルの生活が「安心」して見られなければならないのか? その背景にある政治性を見過ごしてはならない。

 

最近、wezzyに『きのう何食べた?』に関する短い論考を書いた。

wezz-y.com