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No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

東京でリサーチ@松竹大谷図書館

12月19日から22日までの間、東京でリサーチを行なった。今回はフィルムセンター、国立国会図書館早稲田大学演劇博物館、松竹大谷図書館を訪れた。

 

今回の記事では、松竹大谷図書館でのリサーチについて共有したい。本施設では、2004年以前の資料に関しては紙媒体のカードから収蔵情報を得る方法と、2004年以降にパソコンへ入力されているデータからの検索する方法の二通りがある。筆者は今回のリサーチでカードによる検索を主に利用した。

 

松竹大谷図書館では、松竹で撮影され、松竹が所有している貴重な映画資料が膨大に収蔵されている。中でも、映画撮影中に撮られたスナップ写真や映画作品に関する当時の新聞記事での批評などが収められたスクラップブックが保存されていることは、当時の映画受容について学ぶためにとても有益である。

 

筆者はまず、現在論文の構想を組み立てている『惜春鳥』(1959)を作品検索し、スクラップブックを調べることから始めた。他に同様にスクラップブックを確認した『カルメン故郷に帰る』や『日本の悲劇』、『海の花火』は一冊ずつしかスクラップブックがなかったにもかかわらず、『惜春鳥』には4冊も保管されていたことに驚いた。保存状態も比較的良好であったので、50年代後半になってから、映画製作中のスクラップブック作成に力が入っていたのだろうか。この点に関しては、同年代の他作品を確認しなければならない。

 

『惜春鳥』の映画台本は、準備稿から最終稿、完成したフィルムをもとに作成した台本(特別な名前はあるのだろうか)が揃っていた。また、『惜春鳥』は1981年にスペシャルテレビドラマとして放映されたことがある。筆者は映画台本とテレビ台本の比較も行なった。テレビ版を見たことがないため、断定はできないが、映画版とテレビ版に大きな差はない。約20年経って、表現や作中で言及されるお金の金額などが80年代基準に変更されていたことは面白かった。木下のテレビ作品については博士論文の研究の対象外だが、来年のリサーチ中に確認したい。

 

松竹大谷図書館では資料のコピーも可能である。ただし、著作権の問題上、コピーが禁止されているものもたくさんある。筆者が今回閲覧した資料はすべてコピー禁止であった。そのため、松竹大谷図書館で調査する際はもっと時間を充てる必要があることが分かったので、次回へ生かしたい。