No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

20260512

 月曜日は3コマ教えていて、GW明けに久しぶりの3コマ連続で授業をしたらめっぽう疲れてしまった。仕事帰りにジムへ行き、夕飯を食べたら寝落ちしていた。

 学部ゼミでアセクシュアルとアロマンティックの映像表象に関する論文(井村 2024)を読み、『今夜すきやきだよ』に関してゼミ生が説明するときに「克服」という言葉を使ったのがとても気になった。Aro/Aceであること自体で生じる痛みや苦しみが主題となっていなくても、その痛みや苦しみを抱いた過去はそこにあるはずで。「克服」という言葉で誤魔化したり、見えなくさせてしまうものもあるんじゃないかだろうか。

 火曜日は会議の日。会議がなければ研究と授業準備に集中できる日だが、今日は会議があった。今の役職だと担当する委員会や役割が増えてきて、迅速に対応できていないものも同時に増えていく。学部長でもないのに秘書を雇いたいと切実に思う。今週末はオープンキャンパスがあるから、それまでにしっかりと準備を進めておかねばならない。今夜は劇場版のチェリまほを観ながら原稿を仕上げたい。

 

 

20260510

 今日は同僚とのTea Party 2026年10回目でもらったコメントをもとに本の原稿を改稿していた。原稿の中では言及していなかった映画について触れた方がいいんじゃないかと気づき、『リバーズ・エッジ』(2018)と『さよならくちびる』(2019)を流しながら原稿を書き進めた。とても久しぶりに見直したら、どっちもすんごく好きな作品であったと思い出せた。エンドロールの歌を比較しても面白いかもしれない。

 原稿を進めるかたわら、今週末にあるオープンキャンパスに向けた学生アルバイト雇用関連の手続きを進めたり、メールに返信したり。一日いくら時間があっても足りないくらいになってきた。これは気をつけないとダラダラと夜に作業を続けてちゃんと成果が出せないし、体調を崩してしまうから気をつけないといけない。

 昨日、YouTubeで見たElif Shafakのインタビューを聞いていたら、彼女は執筆中にヘヴィメタルを聴くらしい。僕も試しにやってみたら、これがとても良くて驚いた。しばらく続けてみよう。

 

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2026年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 11~20

no. 11 Birthday (Hilal Baydarov, 2018)

誕生日を独りで過ごす老女の一日を描く。セリフは一切なし。あらすじを読むと、夫を亡くしてしばらく経った老女が主人公で、彼女の誕生日なんだが、巣立っていった息子たちからすらも電話がかかってこず、掃除をしたり料理をして一日をただ過ごす。

no. 12『アジアは一つ』

石垣島のあまくま座にて鑑賞。

 

 

no. 13『This is I』(松本優作、2025年、Netflix)

はるな愛の実話をもとにした作品。衣装や照明も良かった。

no. 14『首里劇場ノスタルヂア』(2022)

2019年に訪問した首里劇場。三代目館主が急逝されてから首里劇場は取り壊されてしまった。終戦後、首里公民館から首里劇場へとなり地域の催しを支えてきた歴史であったり、ポルノ上映を始めた後の状況、戦後の建築物として歴史を残すことの意義について垣間見れる20分間のドキュメンタリー映画。

 

 

no. 15『ほどなく、お別れです』(三木孝浩、2026年2月6日)

喪と映画の歴史についても研究していることもあり、原作を読んで気になっていた作品。基本的に短編ベースで話が進むんだが、北村拓海が出演していた若い父親の話が切なかった。パンフレットを買いたかったものの、ユナイテッド・シネマ金沢では売り切れだったのか置いていなかった。まだ公開からそんなに経ってないんだけどな。

 

 

no. 16『続十代の性典』(佐伯幸三、1953年5月27日)

戦後に流行った性典もの映画の一本。『十代の性典』は三作あって、若尾文子が全作品で名前や役柄の異なる主人公を演じている。「不潔」や「衛生」に関する話が一つの軸にある。セックスしたい盛りの男子大学生の体臭が画面から伝わってくる。キスをされて電気ショックを受けたように止まってしまう女性身体、年上の着物姿女性に抱かれて収縮する若い男性身体。性典もの映画に関する議論では女性表象の話がよくあるけれど、男性とその身体と視線の話もそろそろする必要があるよね。「またおいで」が呪いのように聞こえる。牧場でくるくると男女の身体が転がっていく描写はなんか書けそう。月経の話の後、体育の授業中に校庭で縄跳びをする場面がある。

 

no. 17 Before Stonewall (Greta Schiller & Robert Rosenberg, 1984)

次の本のために再視聴。歴史の勉強になる。

 

 

no. 18 Heightened Scrutiny (Sam Feder, 2025)

トランス男性である弁護士チェイス・スランジオによる反トランスジェンダー法に対する訴訟とその勝利までの過程を追ったドキュメンタリー映画。ニュースフッテージやTalking head styleを使ってる。Trans sensibilityという概念がストランジオの働き方においてどのような役割を果たしているのか。(ヘルス)ケアにおけるトランスフォビアやバイアスの存在。反トランスジェンダー法は子供を守るためだという主張もあるが、実際には大人も含めたトランスコミュニティへの制度的な差別であることがインタビューから語られる。この映画は、インタビュイーたちがカメラに向かって涙を浮かべる瞬間を静かに撮影する。まるで涙を待っているかのようにも思えるが、トランスジェンダーの人々が置かれた状況を語る行為においてなぜ涙が流されるのかについて、観客に問いかけているようにも見える。Gender affirmationにおけるタトゥーの意義についても考えさせられる。

no. 19『蟹工船』(山村聡、1953年9月10日)

小林多喜二の小説を原作とした作品。映画倫理規定の審査記録を読んだら面白い記述があったから見直した。

 

no. 20 Hoppers (Daniel Chong, 2026)

『私がビーバーになる時』、最高に面白いヒッチコック映画でありサメ映画であった。

 


 

 

20260301

 Tara BarabazonのTen Drafts to Complete Your Phdを読み始めた。まだPrefaceだから議論はこれからだが、「私たちの多くは一度しか博士課程を経験しない」という指摘はその通りだ(p. 6)。だからこそ、博士課程の院生を指導する教員は、その一度きりの経験をもとにしたコースワークを考えるが、それで十分なのか?という問いから始まる。もっと体系化して実践するにはどうしたらいいのか。著名なアカデミックライティングの先行研究を参照しつつ、Brabazon自身の「失敗」を通じ試行錯誤の上で作り上げてきた実践論(博士課程院生と指導教員が特定の作業を10週間進めていき、10の草稿を書いていくことで、博士論文執筆の「終わり」を意識する)を提示する本のようだ。BrabazonのYouTubeチャンネルはここで前にも紹介したことがある。彼女の実践論から学んだことを僕自身も修士・博士課程の指導に活用したいし、僕の論文執筆にも使えるんじゃないかな。

Ten Drafts to Complete your PhD

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20260224

 前期入試がもうすぐ始まり、採点業務に駆り出される。その前に今月最後のTea Party a.k.a. 論文検討会を同僚とやった。今回で今年は5回目。自分の新書原稿の構成にコメントをもらい助かった。僕は同僚の新しい論文の構成についてコメントをして、普段はあんまり考えたことのない理論について思考を深めることができて楽しかった。一週間くらいはずっと採点業務に追われてしまうから、その間にしっかり原稿もできる範囲で進めたい。

 今日の議論のテーマで読んでみたいと思った本をメモっておく。一冊目は、石田智恵編『カタストロフの残響』で、もう一冊はサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』。本を読む時間が欲しい。

 

 

2026年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 1~10

no. 1『ズートピア2』(ジャレド・ブッシュ&バイロン・ハワード、2025)

前作も好きだったし、卒論を書く学生からも度々注目される前作からどのように発展したのかが気になったので冬休み中に観に行った。ニックのぬいぐるみが欲しい!

 

no. 2『映画 それいけ!アンパンマン きらめけ! アイスの国のバニラ姫』(矢野博之、2019年6月28日)

去年から見始めたアンパンマン映画シリーズを継続中。アイスクリーム工場で働くアイスクリームの妖精みたいな労働者たちの姿をどのように考えるべきか。アンパンマンの世界と労働についての論文を探してみよう。

no. 3『アフターサン/aftersun』(Charlotte Wells, 2022)

授業で見せる必要があったから久しぶりに再見。やっぱいいなぁ。

 

no. 4 Wind, Talk to Me (Stefan Djordjevic, 2025)

監督自身の母の死をめぐるモキュメンタリー的な物語映画。出演者はほとんど監督の家族。


 

no. 5『CROSSING 心の交差点』(Levan Akin, 2024)

シネモンドにて。映画試写でも招待状をもらっていたけれど、きちんと映画館で観たかったからシネモンドにて。とても良かった。主演の顔の演技が素晴らしかったね。


 

no. 6 Second Spring (Olexi Chubun, 2025)

ウクライナ戦争から逃れるために母とチェコへ避難してきた少年サーシャのセクシュアリティをめぐる短編映画。

 

no. 7『ひゃくえむ。』(岩井澤健治、2025年9月19日)

オーストラリアへ留学するゼミ生に勧められていたけど観られていなかったから配信で観た。とらのあなで同人誌を漁ってしまった。


 

 

no. 8 『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』(山田洋二、1982年8月7日)

寅さんシリーズ第29作品目。いしだあゆみが出演しているので、超絶久しぶりに観たくなった。

 

no. 9 『10DANCE』(大友啓史、2025年12月18日)

もうちょっとえっちぃのを期待していた。


 

no. 10 THE PISS SAGA (Derek Milton, 2025 )

自分が住まう街のハイウェイ沿いの電気盤の上に時折置かれている「人間の尿」(human urine)と書かれた複数のペットボトルが誰の仕業であるかを追うドキュメンタリー。めっちゃ笑った。

新しい記事が出版されました。「日本の映画・テレビドラマは性的マイノリティをどう表現してきたか~いまだ残る課題と今後注視すべき点~ 」

TBSのWebマガジン『調査情報デジタル』から依頼を受けて、近年の日本映画・テレビドラマにみる性的マイノリティ表象の変容について短い記事を書きました。ご笑覧いただけますと幸いです。

 

tbs-mri.com