No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

2026年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 11~20

no. 11 Birthday (Hilal Baydarov, 2018) 誕生日を独りで過ごす老女の一日を描く。セリフは一切なし。あらすじを読むと、夫を亡くしてしばらく経った老女が主人公で、彼女の誕生日なんだが、巣立っていった息子たちからすらも電話がかかってこず、掃除をした…

20260301

Tara BarabazonのTen Drafts to Complete Your Phdを読み始めた。まだPrefaceだから議論はこれからだが、「私たちの多くは一度しか博士課程を経験しない」という指摘はその通りだ(p. 6)。だからこそ、博士課程の院生を指導する教員は、その一度きりの経験を…

20260224

前期入試がもうすぐ始まり、採点業務に駆り出される。その前に今月最後のTea Party a.k.a. 論文検討会を同僚とやった。今回で今年は5回目。自分の新書原稿の構成にコメントをもらい助かった。僕は同僚の新しい論文の構成についてコメントをして、普段はあん…

2026年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 1~10

no. 1『ズートピア2』(ジャレド・ブッシュ&バイロン・ハワード、2025) 前作も好きだったし、卒論を書く学生からも度々注目される前作からどのように発展したのかが気になったので冬休み中に観に行った。ニックのぬいぐるみが欲しい! no. 2『映画 それいけ…

新しい記事が出版されました。「日本の映画・テレビドラマは性的マイノリティをどう表現してきたか~いまだ残る課題と今後注視すべき点~ 」

TBSのWebマガジン『調査情報デジタル』から依頼を受けて、近年の日本映画・テレビドラマにみる性的マイノリティ表象の変容について短い記事を書きました。ご笑覧いただけますと幸いです。 tbs-mri.com

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 160~161

no. 160 『水の中で息をする 彼女でも彼でもなく』(Holding Back the Tide、) オンライン試写で見た。クィアへ捧ぐ的なメッセージが最後に流れるんだが、ここまで「生殖」を強調する作品である点を考えると、ここでいうクィアが何を意味するのかはもっと考え…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 150~159

no. 150『か「」く「」し「」ご「」と「』(2025年5月30日公開) 匂いで始まる映画。主人公は他人の頭の上や体の周りに、その人が抱いている感情が「!」や「?」という感じで見えてしまう。フレームの中に常にそれが提示されるわけではないから、観客と主人公…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 140~149

no. 140『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(二宮崇、2025年7月4日) 漫画で読んでいた『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』がテレビドラマ化され、映画にもなっていたが見逃していたのでNetflixで観た。相手のことをきちん…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 130~139

no. 130『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に』(庵野秀明・鶴巻和哉、1997年7月19日) エヴ30周年記念の月一エヴァ上映、ユナイテッド・シネマ金沢にて。 no. 131『ストロベリームーン 余命半年の恋』(酒井麻衣、2025年10月17日) 芥川なおの…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 120~129

no. 120『映画 ○月○日、区長になる女。』(ペヤンヌマキ、2024) 2022年、杉並区長選挙で初当選した岸本聡子と彼女を支援した住民グループに密着したドキュメンタリー映画。劇作家でもあるペヤンヌマキ監督自身が杉並区に在住で、ある日、自宅が道路拡張計画の…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 110~119

no. 110『ラストマイル』(塚原あゆ子、2024) 話題になっていたが見逃していたのでようやく。映画館で観てたらイライラしていたかもしれない。画面の質感、カメラの動かせ方、ショットとショットの間のテンポがテレビドラマっぽい。 no. 111『ファイブ・ナイ…

新しい論文が出版されました。The Cinema of Kinoshita Keisuke

この2年半ほど関わっていたThe Cinema of Kinoshita Keisuke: Films of Joy and Sorrowがエディンバラ大学出版から刊行されました。映画監督・木下惠介に関して初めての英語論文集です。僕は、"The Celebration of Being Useless through Food: Portrayals o…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 100~109

no. 100 Hamlet (Svend Gade & Heinz Schall, 1921) 女性のハムレットが主役。 no. 101 Ich mochte kein Mann sein (I Don't Want to Be a Man, Ernst Lubitsch, 1919) no. 102 『コクリコ坂から』(宮崎吾朗、2011) 前期のレポート課題はジブリ映画について…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 90~99

no. 90 『化け猫あんずちゃん』(久野遙子、山下敦弘、2024) あんずちゃんがええ感じのおっさん感を出していて面白かった。喪の映画。 no. 91『東京蜃気楼』(坂東玉三郎、正岡裕之、1997) 坂東玉三郎に関するドキュメンタリー。東京とは何か、空間とは何か、…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 80~89

no. 80『ドラマクィーン・ポップスター』(アレクシ・ラングロア、2024) 第32回レインボー・リール東京にて。めっっっっっっちゃくちゃ面白かった。 no. 81『記憶の鳥』(A Bird Called Memory、レオナルド・マルティネリ、2023) 第32回レインボー・リール東…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 70~79

no. 70『日記を始めた日』(桂木友椰、2022) 野坂青年の横顔を映したファーストショットが良かった。日記を盗み読みしてしまったことが「良くなくていい」と表現するのもたまらんね。4分の短編。 映画 日記を始めた日 (2022) - allcinema no. 71『松坂さん』(…

『ユリイカ』2025年7月号(特集=成瀬巳喜男)へ寄稿しました

『ユリイカ』2025年7月号(特集=成瀬巳喜男)へ、「ふくらまない男たちと、湿った記憶のあいだでーー成瀬巳喜男作品を「誤読」する」という論考を寄稿しました。成瀬映画は女優を中心に語られる傾向が強く、今回の依頼は成瀬映画における男について書くもの…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 61~69

no. 61『女優と詩人』(成瀬巳喜男、1935) 5月末に締め切りだったけど、6月頭に出した原稿に向けて観た作品の一つ。 no. 62『妻よ薔薇のように』(成瀬巳喜男、1935) 5月末に締め切りだったけど、6月頭に出した原稿に向けて観た作品の一つ。 no. 63『噂の娘』(…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 51~60

no. 51『サンダーボルツ』(ジェイク・シュライアー、2025) 主演のフローレン・ピューがとても良かったね。 no. 52『銀座化粧』(成瀬巳喜男、1951) 5月末に締め切りだったけど、6月頭に出した原稿に向けて観た作品の一つ。田中絹代がいいねぇ。 no. 53『お熱…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 41~50

no. 41『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(大九明子、2025) さっちゃんがどこかで幸せになっていたらいいな。 no. 42『花まんま』(前田哲、2025) こってこての人情劇。ええもん見してもらいました。 no. 43『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(呉美保…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 31~40

no. 31 Viet and Nam (Trương Minh Quý, 2024) SCMSの学会でシカゴへ4月冒頭に行ったときにパネルのメンバーたちと一緒に観に行った。掘る行為と何かを越えようとする主題の反復がしっかりしていて面白かった。 no. 32 Wicked (ジョン・M・チュウ、2024) 公…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 21~30

no. 21 『FLEE』(ジョナス・ポエール・ラスムーセン、 2021) NHKで字幕版をやっていたので再見。授業で使いたいが、歴史的、社会的、政治的な背景をうまく学べる構成にしないと難しいな。 no. 22 『Demon City 鬼ゴロシ』(田中征爾、2025年) 河部真道の…

『ユリイカ』(特集 自炊)への寄稿のお知らせ

2025年2月27日(木)刊行の『ユリイカ』2025年3月号(特集 自炊)へ「紡ぎ直しの自炊――味覚の螺旋、喪失の空隙」という論考を寄稿しています。論考というか、エッセイのような感じもしながら書いた文章になりました。『リトルフォレスト』、『土を喰らう十二カ月…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 11~20

no. 11『劇場版 SPY X FAMILY CODE: White』 うんちネタが面白かった。アーニャがかわいい。 no. 12 『小学校〜それは小さな社会〜』 今の小学校教員はこういう感じの指導をどこでもやってるんだろうか。競争社会がこうやって作られていくんだなって思うと、…

2025年 新しく観た映画作品/再見した映画作品 no. 1~10

これまでTwitterで記録に残していた映画鑑賞記録を今年からはブログで残していくことにした。論文を書き始めると映画を見る頻度が一気に下がってしまうから、今年はもっと意識して観ていきたい。 no. 1 『バイオハザード』(ポール・W・S・アンダーソン、2002…

『ユリイカ』(特集 ペドロ・アルモドバル)への寄稿のお知らせ

発売中の『ユリイカ』(特集 ペドロ・アルモドバル)へ論考「初めての欲望の再演――ペドロ・アルモドバル『ペイン・アンド・グローリー』におけるクィアな老いと痛み」を寄稿しました。アルモドバル作品とは正直なところ、距離をとって生きてきたので、寄稿依…

『映像アーカイブ・スタディーズ』刊行のお知らせ

法政大学出版局より『映像アーカイブ・スタディーズ』(ミツヨ・ワダ・マルシアーノ編)が2025年1月に刊行されました。過去5年ほど関わってきた科研費のプロジェクトの成果が書籍化されたものです。僕は以下2本論文を寄稿しています。ぜひ読んでいただければ…

くぼっち、免許取るってよ

7月5日、石川県運転免許センターで普通自動車免許をゲットしてきた。39歳にして初めての運転免許ーーちなみに原付免許は持っていたーーを手にし、昨夜は一人で祝杯をあげた。最初の車は擦ったりしても涙を流さないような価格帯の車にしようと思っているが、…

【新しい論文の掲載】Beyond Diversity: Queer Politics, Activism, and Representation in Contemporary Japanが出版されました

ドイツのデュッセルドルフ大学出版よりBeyond Diversity: Queer Politics, Activism, and Representation in Contemporary Japanが出版されました。僕は"Feeling the Friction: Reworking Japanese Film Studies/ Criticism from a Queer Lens"という論文を…

京都服飾文化研究財団 機関誌『Fashion Talks...』15号に寄稿しました。

お仕事の報告です。京都服飾文化研究財団が刊行している機関誌『Fashion Talks...』の15号にお声がけいただき、論考を寄せました。タイトルは、「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」です。2020年前後に公開された映画における接触について書い…