大学院授業での読み物:1930年代の日本映画にみる文芸映画
2023年第3クォーターもそろそろ終わりが見え始めてきて、ちょっと気持ちが楽になってきた。と言っても、一週間足らずのインターバルを挟んですぐに第4クォーターが始まるし、国際学会と国内学会が立て込んでいるからそんなに気は休まらないのだけど。風邪を引かないように気をつけたい。
第3クォーターの大学院授業「映像文化論」では、伊藤守編『メディア論の冒険者たち』を読み進めながら、箸休め的に院生たちが関心を寄せるトピックを箸休め的に扱っている。文学研究に携わる院生がいるため、今回の箸休めでは文学から映画へのアダプテーションの一般的な理論を紹介しながら、日本映画における文芸映画ブームについて論文を読んでもらっている。
第七週目に読むものは以下の通り。今回は1930年代の文芸映画として、島津保次郎の『家族会議』について議論する予定。
① 溝渕久美子「「文芸復興」としての「文芸映画」ー1930年代日本における「文芸映画」ブームに関する再考察」『映像学』2005年、pp. 65-81
② 島村健司「「家族会議」を発声映画から考える」『横光利一研究』第1号、2003、pp. 57-70