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No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

HOME(2015)と『美女と野獣』(1991)

夏期休暇が終わり、後期の授業も先週から始まった。今期の学部生/修士向けの映画学授業の初日では、ティム・ジョンソン監督のHOME(2015、日本未公開)が紹介された。アメリカでDVDが最近発売されたばかりだ。主人公のひとりである宇宙人Ohがちょっとブサイクなんだが、映画を見終わる頃には愛着を抱くくらい、愛嬌のあるキャラクターである。同じ種族のBoovたちから敬遠されるOhの声優をオープンリーゲイのジム・パーソンズが担当しているのも興味深い。

 


Home Official Trailer #1 (2015) - Jennifer Lopez ...

 

修士/博士後期過程向けの映画ゼミでは、院生各自の研究発表の順番が決まるまでの間、ディズニー映画『美女と野獣』(1991年)と80年代/90年代のアメリカ映画における男性性に関する英語論文を読み進めていく。

 


Beauty and the Beast Trailer - Coming to Theaters ...

 

美女と野獣』は子供の時見て以来、あまり得意な作品ではなかった。その理由はよく覚えていない。けれども、今回の論文を読むにあたり、映画を見直した時、はっと気がついた。論文の中でも対比として取り上げられている野獣とガストンの描かれ方に抵抗感があったのだろう。特に、ガストンの男らしさを誇張した感じが苦手だったんだ。

 

美女と野獣』を見ていると、野獣とガストンの体毛の表象は明らかに異なる。男らしさをこれでもかとスクリーンに提示するガストンは、筋肉質な体だが体毛は濃くはない(というか見当たらない)。野獣も力が強く、人を脅かすことなど簡単にやってのけるが、内向的な面がある。内向性が弱さであるならば、まるでその弱さを隠すかのように、体中を体毛で覆っているのが野獣である。

 

どこで読んだかまったく覚えていないんだが、アメリカ社会の男性の体毛と男性性の関係について書かれた論文か本があった気がする。アメリカ人男性がペニス周りの陰毛や胸毛を処理するのは、自分の肉体の筋肉(胸筋)や生殖力の強さ(勃起したペニス)をより分かりやすく見せつけるためである、といったようなことが書かれていたような...この文献が見つかれば、ガストンと野獣の体毛の濃さに焦点を当てて、男性性の表象を分析できるんじゃないだろうか。