読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真、絵画などについても感想などを述べていけたらと思っています。

『ONE PIECE FILM GOLD』(宮本宏彰、東映、2016年)

映画

年始映画一本目は人気漫画『ONE PIECE』を原作とした映画『ONE PIECE FILM GOLD』を観た。去年映画館へ観に行くかどうか悩み、結局行かずに上映終了になってしまった作品だった。去年は確かドラえもんの映画を年始めに観たから、今年もアニメにしようと思い、リリースされたばかりのDVDを借りてきた。

 

舞台は巨大なエンターテインメントシティと呼ばれる「グラン・テゾーロ」。世界政府から中立国家として見なされており、海軍も海賊も自由にカジノやアトラクションを満喫できるという空間。そこへルフィ率いる麦わらの一味がやってきて、カジノで大もうけを目指す。お察しの通り、後先考えずに行動するルフィの楽観的な思考によって、一味は3億2000万ベリーの借金を背負う。ルフィが賭に負けるのは能力者の力によってというのが明らかになり、ゾロが怒ってボスであるテゾーロに挑むが、テゾーロの能力によって捕まってしまう。ゾロを助けるために一味がテゾーロの金庫に侵入しようと試みるシークエンスが物語の一つの見せ場になっている。

 

満島ひかりが声優を務めたカリーナという女泥棒がじつはナミの知り合いだったり、革命軍のサボとコアラ、あとロブ・リッチが出てきたり、興味深い展開がちりばめられている。しかし、いかんせん脚本がぐだぐだなので、キャラクターディベロップメントも不完全であり、またサボとロブ・リッチの戦いも中途半端に描かれており、もっと観たい!と思う気持ちを見事に裏切られる。物語は、ルフィがドフラミンゴを倒したあとという設定なので、ギア・フォースを使ってテゾーロを倒させたい一心でドフラミンゴ篇のいいとこ取りだけしたような側面が強い。

 

ONE PIECE』の連載が始まった頃から漫画を読み、アニメも観ている読者/観客の一人にとって、本作は物足りない。麦わらの一味とテゾーロの一味の戦い自体に迫力も胸アツな展開もなく非常に残念だった。『ミッション・インポッシブル』のような潜入活劇を目指したのかもしれないが、成功していない。その理由は作品の長さに関係しており、単純に詰め込みすぎで消化できていない点にあるだろう。

 

最後に、本作に入り込めなかった要因の一つは賭けに負けた一味の態度にあったかもしれない。たしかに運気を吸い取る能力者の力によって負けるという展開なのだけれど、だからと言って、3億2000万ベリーの債務を思い切り暴力で踏み倒そうって展開に僕はついていけなかった...