No Rainbows, No Ruby Slippers, But a Pen

本ブログでは研究関連で読んでいる書籍、(新作)映画作品の紹介、日々の考察を中心に共有していきます。また、漫画、アニメ、小説、写真などについても感想などを述べていけたらと思っています。

最近、少しだけ本を読むのが楽しくなってきた。

 映画研究を生業としているので、「『日頃から映画作品だけでなく、本もたくさん読んでいる』と言ってみたい」と、この半年くらい毎日のように思ってきた。「一年間でどれくらいの映画を観るか?」と聞かれれば、それなりに観ている方だとは思うが、それでも本当にたくさん観ている人たちには本数で競っても仕方がない、と大学院のときに悟った。映画研究をするためには同じ作品を何度も何度も観るため、他の作品を観るために使える時間が限られている場合も多いからだ。

 

 「どれだけ本を読んできたか?」と自分に問いかけると、下を向いて誰とも目も合わせたくないくらい、この半年ほど全くと言ってよいほど集中して本を読むことができなかった。というか、小説なりエッセイなり、一冊の本を最後まで読むことができなかったと言う方が正しいかもしれない。本は読みたいけれど、本を読みたくない。そんな毎日の繰り返しだった。

 

 新型コロナウィルスの感染拡大予防のため、四月から在宅勤務が続いている。「やった、これで時間ができるぞ。本が読める!」と最初は思ったが、そう上手く物事は進まない。在宅勤務で少しずつ昼夜逆転の生活になり、期待していたほど本や映画に手が出せない日々が続いていた。ただ、最近、少しだけ本を読むのが楽しくなってきた。

 

 さくらももこのエッセイ集『もものかんづめ』を読み、ウィリー・ヴローティンの『荒野にて』を映画化作品を観ながらちょこちょこ読み、韓国ドラマ『キングダム』にハマりながらクォン・ヨソンの短編集『春の宵』をうーんとなりながら読んだ。ここまで読むと、少しずつ調子に乗り始め、話題になっていた『ぼそぼそ声のフェミニズム』、『男らしさの終焉』、『足をどかしてくれませんか』なんかをサクサク読むことができた。この勢いで積読をどんどん消化したいが、新刊で気になるものもたくさんあるし、どうしたもんかと思っている。

 

 でもようやく、本当にようやく少しずつだが本を読む楽しさが戻ってきて嬉しい。

 

もものかんづめ (集英社文庫)

もものかんづめ (集英社文庫)

 

 

荒野にて

荒野にて

 

 

春の宵 (韓国女性文学シリーズ4)

春の宵 (韓国女性文学シリーズ4)

 

 

ぼそぼそ声のフェミニズム

ぼそぼそ声のフェミニズム

 

 

男らしさの終焉

男らしさの終焉